むかし、私がまだ子供だった頃、
ケーキはいつでも素晴らしいものだった。
一年のうちで、ケーキを食べられる日はほんのひと握り。
誕生日、クリスマス、お正月、あとは誰かの家へ行った時か、うちにお客さんが来た時。
甘くて美味しくて珍しい。
心を弾ませてくれる特別な食べ物。
まだ私が柔軟な思考を持っていた頃、
この世になくて、誰もが羨むような、素敵なデザートを考えようと思って、チョコレート、クッキー、シュークリーム、プリンなどなど、好きなもの全てを合体させた夢のケーキを真剣に考えた時もあった。
絵に書いたりして、味のバランスを気にしたりして、幼いながらに意外と試行錯誤していたなぁ。
と、そんな幸せの象徴でしかなかったケーキだったが、ここ最近、悪いケーキに当たることがしばしば。
悪いケーキに当たると、食べても幸せになれない。味は美味しいのに、食べると虚しくなってしまう。
"食べてしまった罪悪感"
"自分を甘やかした罪悪感"
こいつが襲ってくるから。
社会人になって、ケーキを購入する頻度がものすごく増えたのが原因の一つ。購入癖がひどい時は毎日コンビニに寄ってしまう時もある。
仕事で疲れた日、自分のことが嫌いな日、
なんだか気分が沈む日、、、幸せじゃない日は、なんでもケーキで解決しようとしてしまう。
慰めに買ったケーキは、味は美味しくても、
問題から目を逸らして甘いものに逃げようとした自分への嫌気が付き纏う。
ケーキは美容と健康の大敵だから、余計にそんなものを食べきってしまって、吐き気。
それなのに、砂糖中毒になって、次の日にはなんだかまた欲してしまう。これじゃ負のループだ。
それで、最近はケーキに対して、警戒心を持つようになった。
この子を食べて、後で悲しくならないか?めちゃくちゃ吟味。
さて、今日も悪いケーキになりそうなケーキと対面。
フルーツがたくさんで、クリームは甘すぎず、スポンジがしっとり。
今回は、美味しいケーキを発見した喜びのおかげか、はたまた、環境がよかったのか。虚しくならなくてホッとした。
静かに、お店の隅っこで、甘すぎないケーキとコーヒーで、のんびり時間を過ごす。
いくらか気分が良くなってきた。
あぁ、ケーキとの付き合い方、良い塩梅、見つけれたらいいなぁ。
と、思う余裕が持てたので、
以上、ここ数年、ケーキについて思うあれこれを綴ってみたのでした。